平成27年3月14日(土) |固定リンク
一泊二日、濃厚な「美」と「伝承」の旅でした。 免停?前最後のドライブになるか、天候をながめながら、車で行くことにした。 京博の金剛寺、やっぱり無理してよかった。屏風とは正子展以来4年ぶりの再会。毎回発見があるのだが、同時代の作品と比べるというより、別次元の感性、作家性のように思う。今回、お寺の他の作品をじっくりみて、金剛寺風というような独自の美があると僕には感じた。「実景というよりデザイン、装飾性に優れた」と解説にあったが、そんなことを超越した、やはり作家の実景なのだ。現代ではデザインというのかもしれないが、作者の目の前に、四季が次々へ浮かんできて、そのなかに溶け込んだんだ。装飾なんてかれはまったく考えていない。その土地で暮らした画僧が、山河を巡って自然と感得した自然美。屏風はそろそろ修復どきかな。 怖い怖い大黒天、気品ある獅子、剣は日本一(と書きながら失礼だな)。ご本尊の大日 これも日本一!櫻井さんが到着するまで一周、彼とまた一周。いつか屏風でのみたい。 それから八坂前で鯖寿司買って土楽へ。福森さんの代車がなんと同じボクスター!三人二台で奈良へ急ぐ。不経済な事極まりない。 12日、奈良に春を呼ぶ東大寺十一面悔過、一般に言うお水取りに。松明は大混雑なので、蕎麦と和のところで般若湯、エネルギー満タンにして挑んだ。ちょうど、お松明が終ったところで、境内は火で清められ清々しい雰囲気に溢れていた。階段を上り、二月堂から奈良の夜景を眺め、ときを待つ。御籠もりの牛山さんにうながされいよいよ内陣へ、それから朝まで堂内で過ごした。 今年もまたいろんな発見があった。どちらかと言うとマイナスのことが多かったが、些細な事を気にするより、こうした行が続けられていることに脱帽。今宵が最終日だ。 帰路、金子さんの顔をみに、福森さんとミホミュージアムに立ち寄る。蕭白だから僕にはあまり関係ないとの思いがあったのだが、北館の企画展は、まさにタイトルとおり「日本美術の愉悦」だった。蕭白じゃなくて、こちらをメインにしたら、違った印象を受けたように思うが、人を呼ぶには蕭白なんだろう。神像にはじまり、小さいながら僕の好みがつづく。「いいじゃない」と言うと金子さんが「ほらね」とちょっと誇らしげ。木、石、景色、、、展覧会の主眼がわかってくる。石櫃の蓋を金子さんが持ち上げた。ときどき暴走する親切な学芸員………。会場の写真はNGだったので写真を撮れなかったが、図録は展示風景に即したつくりになっており、苦心の後がよくわかる。練ってねって、これは仕事してる。期間は長いので皆様是非に。 ただ、祖母の信楽大壺にはがっかりした。目赤なのか?いや、そればかりではない。骨董は不思議なものと改めて考える。モノはただのモノじゃなく、日々の愛玩があらわれるのだろう。あんなの売っちゃってさ、と呆れたけど、こちらが卒業したのかもしれない。南無阿弥陀仏。
平成27年3月1日(日) |固定リンク
「目の眼」4月号、本日発売です。特集は「豪奢なる金沢」です。金沢の茶陶を伝える旧家・大樋長左衛門邸/加賀料理の正統・大友楼/桃山を敢えて受け入れた金沢文化とは/金沢21世紀美術館・谷庄……、金沢アートスポットガイド/ほか。特集2は「北の祈り みちのくの仏たち」。東京国立博物館で開催中の「みちのくの仏像」展を紹介します。 バックナンバー 平成30年
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