白洲信哉 SHIRASU SHINYA OFFICIAL WEBSITE


平成22年1月31日(日)

 氷見の
 真鱈白子

 早いもので1月も終わりである。なんだか冴えないことばかり続く。愚痴をたくさんいいたいがいまはやめておく。それにしてもなんで理解されないのだろう。きっと僕に欠陥があるんだろうけど、前向きにやるだけやるしかない。今回の展覧会で縁が切れる所も多くなる。付き合いが減るのは悪いことではないので仕方がない。

 だが、甍堂で金峰山の経塚出土三所権現をみたり、初期伊万里の色絵をながめていると元気になってくる。美しいものにはなにかしらの力があると思う。平安末期の末法思想が吹き荒れた時代なんて想像すると、今の不況なんてたいしたことないんじゃないかと思う。総理の施政方針演説にはがっかりした。貴方に命を守ってもらいたくなんてないし、命なんて政府が守ることじゃない。そんな前時代的な考えだから安保も進まない。

 一歩譲っても地球を守る、なんていうのはどうかしていると思う。地球という生命体は、人が守るとか「地球にやさしい」とか人間がなにかできることという範疇でなく、美しい惑星が生きられなくなる理由が本当に人間ならば、容赦なく地球は人を滅ぼすことだろう。まして人間が守るような性質のものではない。本当に頭が悪いんじゃないだろうか。

 多くに人が自民党よりは、と思っているのかもしれないが大きなことなんて望んでいないので目の前のことを早急にやってもらいたいものだ。今日はこれからちょっと滑ってきます。写真はこの前の日記にある氷見のすし屋のものです。





平成22年1月28日(木)

 大法寺
 十一面観音像

 本日28日はお不動さんの日で、比叡山の光永澄道大阿闍梨がご存命のときは毎年お寺に伺って、あるときは山伏の真似事をやったこともある。帰路、精進落としといいながら、伊賀の福森さんらと北陸へ冬の味覚を求め、旅行するのが恒例だった。光永さんが亡くなってからも、毎年日程をあわせて続けていたが、皆とまとまって行くのがなかなか難しくなってきた。やはり、お祭りのように毎年日程が決まっているというのは、一番簡単な方法なのかもしれない。体に染み付くからであろう。

 といいながらも、金沢、氷見、そして山代温泉では須田青華さんにもお会いしてくる。どこも美味、写真を撮るのを忘れてしまうほどだった。冬の北陸はブリ、メジ、カニ、鱈、鴨などやはり行かなくては味わえない。ブリとメジは捕れたて、三日目、五日目と味わう。寒ブリだから美味いわけじゃないのであって、目利きがみつけてくるから美味いのである。

 合間に信州の十一面観音を拝観してくる。祖母の「姥捨山の月」という文章があるのだが、上田や別所温泉周辺は興味深いところだった。距離は離れていないがそれぞれ個性的であり、御柱の系統に属す。これについては書く機会があるので、またお知らせします。

 これからバリューズの撮影。テーマが「蟹」なんだが、たらふく食べた後なのでどうも盛り上がらない。今回料理は広尾のお店にお願いした。松川さん、よろしくお願いします。


 常楽寺
 多宝塔


 磐境
 


 
 





平成21年1月25日(月)
週刊ポストに、“白洲信哉 ニッポンの神仏 連載第4回 〜滋賀県湖東日本一の石塔〜”と、“古都逍遙・庭園に遊ぶ”が掲載されました。





平成22年1月18日(月)

 朝の光を浴びる
 常滑長頸壺

 連日寒い日が続く。手袋を手放せないのは久しぶりである。土曜日に「骨董と旅」というテーマで、駿河銀行のD-ラボという施設で講演する。人数は少なかったが、的をえた質問も多くあのくらいの規模が一方通行にならずいいように思った。晩は秋吉さんと、その責任者の山本さんといろいろ話す。

それにしてもいつまでこうした不毛なことを続けるのであろうか。捜査情報というのは、「秘匿」なんじゃないのかね。世論調査というけれど、その世論をつくっているマスコミが情報に踊らされているように思う。選挙前も同じことがあって、あんな程度のこと、といっては言いすぎかもしれないが、決定的な証拠なんてないのであろう。今回だって同じである。権力を持ったものと、「幼稚な正義感」が振りかざす構図を、いつまで繰りかえすのであろうか。僕は戦前の憲兵隊とか検閲とか知らないけど、大きな力をもった匿名の捜査官が暴走してはいないかと危惧する。身柄を拘束することが、どれだけのことなのか、本当にわかっているのであろうか。列車で連行される映像をみていて、この前新幹線で護送された殺人容疑者と一緒のようにみえてくる。世論を形成し小さな問題を大きくすることを罰する法律がいるのではないだろうか。

 いずれにせよ、大きな金額が動いているのは事実なようで、小沢氏も自分がしてきたやり方を貫いて、55年体制の終焉を自らの手でしてもらいたいと願っている。本当にチルドレンのような政治家が溢れ、説明責任などできっこないことを尽くさねばならないと主張する幼稚な世論と、「庶民感覚とはかけはなれた」という叫びにいらだちをおぼえる。地方議員ならいざしらず、国会議員まで「庶民感覚」じゃあ困るのである。もっと大人になりましょう。マッカーサーは戦争にいたる日本をたとえて「未熟な十二才」としたが、現状の日本をみたらどううつるのであろうか。





平成21年1月18日(月)
週刊ポストに、“白洲信哉 ニッポンの神仏 連載第3回 〜岐阜県 仏師・円空の「故郷」を訪ねる〜”が掲載されました。





平成22年1月14日(木)
 寒い寒い。こういうときは篭って仕事するに限る。今週は出張がないので、書きながら白洲展の追い込み、NHKの吉田さんと田中さん、それに滋賀近美の高梨先生とひっきりなしに連絡をとる。今日は番組をつくっている川良さんとも話す。やるだけのことはやっているのだが、下記のようにどうしても所蔵先が不明なものもある。もし、行方を知っているかたがあれば、お手数ですがご連絡頂けたら幸いです。


 「白洲正子 生誕百年展」
 の探し物
 (以下同じ)


 
 


 
 


 
 


 
 


 
 


 
 


 
 


 
 


 
 


 光琳
 うちわ絵





平成22年1月12日(火)

 金勝寺
 軍茶利明王

 1週間の旅から戻る。京都で週刊ポストの川島氏、中島氏、酒井氏、太田氏と落ち合い古仏の取材に出掛ける。栗東でおり金勝山をのぼり金勝寺へ。ここへ数度来ているが、仏群を拝見するのははじめてである。写真では見ていたが実見した仏は想像以上だった。とくに軍茶利明王は素晴らしい。往時の繁栄が偲ばれる。峠を下り善水寺へ。ここも国宝の本堂に所狭しと仏様が並んでいるが、ご住職が奥から金銅の誕生仏をだしてくださる。非常に大きく珍しい形で、あつかましくお願いして掌にのせて頂いた。天平の重さを感じる。この日最後は正福寺に。十一面観音を拝みに行ったのであるが、何と同じようなつくりが四体もあり、日本の近江の奥深さを改めて思う。まさにかくれ里である。

 翌日は長寿寺、通称東寺へ。藤支ご住職は国宝の本堂をはじめ、収蔵庫や弁天堂まであけて下さった。奥さまは以前お会いしたこともあるが、祖母の文章をそらんじておられる。ご親切にありがとうございました。

 最後は大津京近くの盛安寺へ。あこがれの十一面観音は、想像以上に美しかった。これは白洲展の松山会場だけの展示になるが、天智天皇の崇福寺にあった古仏である。近江にひかれ天智をこれからも追いかけていきたい。


 正福寺
 十一面観音群


 東寺
 丈六の阿弥陀如来
 坐像


 盛安寺
 十一面観音像


 東寺・弁天堂を
 撮影する
 太田さんと酒井さん





平成21年1月11日(月)
週刊ポストに、“白洲信哉 ニッポンの神仏 連載第2回 〜岐阜県 美濃の十一面観音巡礼〜”が掲載されました。





平成22年1月7日(木)

 瀬戸内の夕方
 

 新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。

 今日は祖母正子の生誕百年の日、つまり誕生日である。秋から企画している展覧会の交渉もいよいよ大詰めである。ラストスパートをかけていきたい。

 家庭画報連載最後の取材に赤穂にきている。はじめてなのでなにがあるのか楽しみな反面、この辺り兵庫、岡山県というのは馴染みがなく、不勉強な地である。吉備王国があった古い場所なのでこれから興味を傾けていきたい。大事なことは日本の歴史を、単なる事実の表記だけではなく、精神とか暮らした息遣いが聞こえるものに、特に忘れ去られた大事なところを、どう思い出させるかといったところまで想像をして伝えていきたいと思う。「古事記」をよく思い出すことが宣長のしたことであるし、世阿弥とか秦河勝の自分なりの思い出し方があるのではないかと思っている。

 夕方、紹介を受けた「くいしん坊」で赤穂を満喫。ここは池田さんというこの土地出身の猛者に電話したら、そこにいけとの教授により予約したのであるが、親子二代の理想系があって、今後は東京で「シンコ」を案内したいということになる。瀬戸内の満足している親方には無用なことだったかもしれないが。兎に角うまかった。

 隣の備前は「このわた」で有名だけど、ここでは食べないらしい。赤穂浪士ではないけれど、固有のものをこれからも育てていってもらいたい。味も伝説もはたまた歴史も積み重ねであろう。

 そういえば、正月に茂木さんに会った。会うなり「勉強しているよ」と言っていた。原文で接するためにドイツ語もはじめたらしい。かれの友人の塩谷さんとも話した。論文は書かない学者らしい。でも、屈託なく学問を生き甲斐としていることがわかる。自分を磨くために精進する姿は美しいし、そういうことを堂々と言って生きたいものである。鈴木理策さんとの写真論はもっと聞きたかった。 今年は七年に一度の諏訪大社御柱の年である。今年は皆で行こうといって別れた。あまり確かな記憶ではないけれど…。


 大避神社
 


大避神社。秦河勝は大酒 とか大荒大明神というらしい。いい名前だね。生島についても考えたい。


 世阿弥の母の実家
 永富家





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