平成20年10月27日(月) 伊賀福森邸に行く。中学校の頃からお邪魔している僕にとっては親戚みたいな家である。今年は週刊誌の手伝いをお願いしているので訪問の機会が多い。撮影も順調に、編集の中島さんが目配せする。ラフロイグの栓をきり一杯。体が元気になってくる。まだ十時半だ。囲炉裏の前に陣取り取れたての芋を焼いたり、この秋初物のイノシシを炭火焼に。いつもながら会話もなくひたすら食べる。いよいよメインディッシュ。山で取れたばかりの雑茸を出汁に鱧シャブを食す。海のない京都では鱧は貴重で、この頃の鱧も「名残の鱧」といって珍重する。脂がよくのってうまいのだが、茸との相性が抜群である。松茸をつかった鍋は有名だが、雑茸のいろんな香りは秋の香りそのものだった。二本目が空いて、気が付いたら新幹線の中だった。編集の中島さんは「自由が丘で飲みなおしましょう!」と元気のいいことである。 平成20年10月18日(土) 念願の白神山地を歩いた。ブナの紅葉は想像以上、詳しくは連載中の週刊ポストに書くつもりです。今年は北海道、裏磐梯、そして白神と紅葉の当たり年。改めて日本の四季に感じ入った。ここのところ移動続きでちょっとばて気味。レースの前から引いていた風邪もちっとも完治しない。予定を入れたのは自分だから仕方ないけどちょっとゆっくりしたいなー。でも帰りにいろんな茸を土産に買った。ブナ林にも生えていたが小さすぎて可哀想だった。嶽温泉の店には各種取れたての雑茸にあった。帰ってから食べるのが愉しみだ。 平成20年10月14日(火) 無事横浜に到着しました。ゴールは元町商店街を占領した大きなイベントで本当にいろんなかたがたに支えられたイベントだったと感激した。走るコースの沿道はいつも旗をふっての応援も受けた。一生分手を振ったように思ってけど誠に有難いことである。瞬間瞬間感じることばかりで充実した四日間だった。確かにタフなレースだったけど、そんなこと以上に車について、また伝統について、いろいろ考えさせられた。いずれ何かに発表しようと思う。ただ朝から晩まで走りっぱなしだったので、美味いものが食えなかった。紅葉はよかったしもう少しゆったりとした楽しみ方もしたいものである。 夜、フィナーレのパーテイがあった。ブラックタイ着用のホーマルな着席の会で盛大だった。旧知の中田横浜市長の挨拶からはじまって、オイリーボーイの会らしく?テンポよく最後の締めが三三七拍子だったのが可笑しかった。一つ腹がたったのはよくTVなどでもみかけるイタリー人のかたが、ブラックタイもせずノーネクタイで席に着き平然と会に参加していたことだ。芸能人だろうが誰だろうがルールはルールである。遠慮したのかしらないが主催者のには厳格に対処して貰いたかった。そしてこんなことだから日本人は馬鹿にさせるんだとも思った。つまみ出すべきである。 平成20年10月11日(土) 朝、明治神宮に集合。ラ・ファスタというイタリー生まれのクラッシックカーレースに出場するためである。詳しくは、http://www.lafestamm.com/2008/。出場車は八十年以上前に祖父の白洲次郎が所有していた1924年製のベントレーという車である。現所有者である涌井さんからのお誘いを受けて今回ナビを務めることになった。生憎の空模様になってしまったが、14日横浜元町へ無事辿り着くことを目標に頑張ります。車についての詳細はいろんな機会に発表しているので割愛します。 平成20年10月6日(火) 朝、羽田発って女満別空港に降りる。知床の鮭の遡上をみるためである。北海道は晩秋で日本の広さを改めて感じた。鮭の遡上しているウトロへ着いたがどこにも鮭がいない。漁港で聞くと今年は大幅に遅れているという。運がいいことはあがったばかりの鮭児をみることができた。いつも世話になっている福森さんに一匹送ることにした。目標はあくまで鮭の遡上なので慌てて羅臼に車を走らせる。羅臼の途中知床峠は紅葉真っ盛りだった。赤いというか黄色主体でやわらかな色づきだった。羅臼についても様子は同じだった。編集の酒井さんが走り回っている間に何気なく地図を開くと「鮭の孵化場」とかいう地名を発見。車で急いだ。これからのことは週刊ポストにいずれ書きます。 平成20年10月1日(水) サントリーホールに茂山千作さんの文化勲章のお祝いを兼ねた狂言を見に行った。サントリーで狂言を見るのは初めてだったし、いろいろ思うこともあったがなにしろ千作先生の「福の神」はやっぱり「福の神」としか例えようがない。存在そのもので演じる必要などないように思った。円熟とか名人芸とかいろんな形容詞も邪魔くさいくらいだった。最後の挨拶で「ようやく八十八になりまして、これから益々精進して務めて参ります」と挨拶された。先生は舞台にあがるとき弟子に「上手にゆっくり面白うやれよ」というらしい。頭がさがった。 バックナンバー 平成30年
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