平成23年7月29日(土) |固定リンク
梅雨のもどりのような東京。気候がおかしいのも「天罰」なんだろうか? 石原慎太郎氏の「新・堕落論―我欲と天罰」には、「私たちはこの出来事に国家全体、国民全体で向かい合い、国民の一人一人がこれからの自らの人生の中の事柄としてしっかり受け止めなければならないと思います」とある。まったくその通り、激しく同意する。氏の著作は初めてだったが、発言の深意は新聞の見出し過剰の報道では伝わらないんだと思う。前に氏の四男である延啓くんが「親父は誤解されやすいからな」と言っていたけど、確かにそうした側面はあるように思った。でも、長らく政治家と言葉で生きている作家なのだからね、まあ正直といえばそうなのかもしれぬ。 著書では自分の政治人生などを振り返りながら「遺書」のつもりで書いたとある。氏が国を想う気持ちはよく伝わってくる。うちの家族が親しくしていた右翼のかたがいて、毎年正月になると「こんなテレビばかりやっていて日本はどうなるんだろう」と晩年まで国を憂いていられた。この季節になるとそのかたの住む広島の家に行って夏を過ごすことが多かった。林房雄さんの「最後の海賊」のモデルになったかただ。 米国追随でない国造りと外交。これに関しては孤軍奮闘であり、外務省をはじめ世論ももっと考えるべきことだろう。横田の問題も制空権の問題だとは知らなかった。あそこがあるお蔭で我が国の旅客機が迂回させられているとはね。ふざけるなよほんと。氏は現状をかえていく政治家だから、具体的な政策にも触れている。「生活必需品を外しての消費税税制の改革」「単式簿記を複式に」まあ、そうじゃないことが驚きなんだが。ただ、どうにもならないのが「国防」、核問題についての見解だ。 氏は日本の核保有が日本人自身のセンチメント、だという。核保有は選択肢だと考えている。核を保有していれば北朝鮮の拉致も、米国による経済的な略奪も、中国による侵犯もなかったいう。核保有は経済、軍事までを含めた外交の有効な手立てなんだそうだ。 本当にそうなんだろうか? 戦後押し付けにせよ平和憲法をかかげ非核三原則を国是としたことは世界に誇れる国の姿だと思う。平和はただではない、氏はこれをセンチメントの国民と言っているが、唯一の被爆国として「非核」こそ外交の武器とするべきじゃないかな。国防は氏のいう「CSM」なんていう違った方策をもってしたらいい。 また、「我欲」―金銭欲、物欲、性欲にこれほど熱心な国民は世界にいない ともいう。そして、「北欧諸国のようなコンパクトな国ならともかく、日本のように巨大な産業経済社会がまかなえるものではありません」と太陽エネルギーなどへの転換をヒステリックな現状という。「原子力発電は要は管理の問題で、人類にとって画期的な技術を廃棄するのは愚かなこと」と述べる。でもこれは氏が元凶とする「我欲」そのものなんじゃないかな。 日本のような火山、地震国でどんな技術があっても「絶対」なんてことはありえない。これからストレステストなるものが行われても「想定外」のことはおきるのだ。それが災害でありそういうなかにわれわれがいるんだ。廃棄の仕方さえ確立されてないものを、未来の社会に押し付けちゃだめだよ。それを「我欲」とは考えないのだろうか? 僕には時代錯誤にも聞えることも多々あったけど、いまや少なくなった感があるこうした老人の意見を、戯言と聞き流しちゃいけない。冒頭の「私たちはこの出来事に国家全体、国民全体で向かい合い、国民の一人一人がこれからの自らの人生の中の事柄としてしっかり受け止めなければならない」と思っている。
平成23年7月11日(月) |固定リンク 三吉野くんと 仕事熱心な明夫のかわりに 韓国から飛んできた アンさん、ジーさん。 今年もあっという間に半分過ぎた。そして早くも震災四ヶ月、梅雨が明けて被災地には厳しい夏がきた。季節は確実に移り変わっているが、3.11からなにかぽっかりと穴があいたような日々。なにかが変だが、かわる力より継続の側にいる人々が多いように思う。ひっそりと嵐がすぎるのを待っているように僕にはうつる。 「経済」「効率」「組織」……。原発だけではなく日本病は重病というより瀕死、政治ばかりが悪いわけじゃないのに、ただ不満だけぶつけているようにみえる。自分もそうだけど、個々に生きている周囲は同じような問題で埋め尽くされているんじゃないかな。昔、細川が総理のときに「無私の人間が五人もいたらたいていの事ができる」と言っていたけど、赤穂の討ち入りなんてたいへんなことだったんだろう。百年二百年たって、「平成ってひどい時代だった」なんて僕は言われたくないな。 二日経つけどあの音が まだ耳に残っている。 岩田さん、 有難うございました。 長野カントリー近くにうつった「ふじおか」僕が好きな黒姫産の蕎麦粉は駄目になって、茨城をつかっているとのこと。しばらく休んでいたのは体調ばかりじゃなかったのかもしれない。今年はどうなるか?心配なんですとご主人が呟いた。僕にも老後があるんです、なんて平気でいう社長にはわからないだろうね。 バックナンバー 平成30年
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