平成24年2月26日(日) |固定リンク
今週二度の講演会 こんなことは珍しい。京都では田澤さんで「骨董」について。青森では「地方の活性化」。まったく違うことだけど「焼きもの」を仲立ちにするとそうでもない。かねがね日本は「やきもの大国」と言ってきたけど、その源流は縄文時代 かのメソポタミヤより古い土器が焼かれ、晩期には北海道から畿内まで使われている。その中心が青森だった。あの時代にあれだけの造形美、二度とあんなものつくられなかった。いや、作れなかったのだろう。縄文の魅力については岡本太郎氏の感じ方と同じだが、現地の人が美的な感じ方をしてはいない。土偶にせよ世界に誇っていい「美」だと思うが、情報発信する側の意識が希薄である。活性化というとまず経済価値の側面からだけ論じられるが 、フランスのように「文化は明日の産業である」というように、文化大臣が副総理になるくらい力をいれ、その結果世界一の観光国となった。 歴史ある古いものには堂々とした存在感があり、それをぬきにして住んでいる土地のことなんて考えられないと思うのだが、あまりに経済偏重 豊かさの指針というのはいろいろなのに。「パパラギ」のはなしをれいに話したが、多様化した価値を選択できるそんな日本であったらいい。あまりに一方に偏りすぎ。「骨董」は確かに魅力的だが、あわせて現代の作家には「いま」があって、骨董ではない親しみがある。古いものが好きだと「あの人は古いものしか評価していない」と決めつける人がいて閉口する。答えは簡単で古今東西 いいものはいい。それだけだ。 来週は庭の撮影で再び京都。青森で縄文は10000年と言っていたけど、都のあった1000年の歴史は重い。比較するのはナンセンスだが、違いを考えてみるのは必要だと思う。きっとそこに考えるヒントがあると思っている。 最後にお忙しいところ 数え91才!瀬戸内寂聴さんにお目にかかる。祖父母のことは勿論、今東光、日出海兄弟。永井龍男さん、水上さん、舟橋さん、青山二郎さん……。すっぽんをたいらげ祇園へ。よく食べのみ笑った、あの世がこの世になった時間でした。有難うございました。きっと歴史と言うのはこうした思い出す作業が必要なんだ。夏の東北 楽しみにしております。佐藤さん 有難うございました。
平成24年2月8日(月) |固定リンク
毎年恒例の?冬の旅。例年新宮のお灯祭りか、東大寺お水取りの時期にでかける。今年は坂本さんのはからいで、下鴨茶寮の女将さんが節分のおばけに招待くださる。前日は大阪の谷松屋へ変態三人組と愛称ターさんで伺う。 一番乗りして織部茶碗で一服。ダーさんが登場して「早速こんなもの出してもらって」とかいう。茶碗に不案内なので、なんのことかわからずにいるとまた織部が。「いやーすごい ふたつ揃い組 なんども来てるけどこんなことはじめてだよ」と桜井さん。なんだかわからないけど、はなしの具合はいいかんじである。でも僕はどうもこの織部特有の作為的な感覚がなじめない。模様とか黒のかんじとかいいんだけど、あのぐねぐねかんはいかん。これは個人的なこと 名碗にすまんことです。 主人はそれを察したのか、次は箱から白いものがでてきた。光り輝いている。井上侯爵旧蔵の粉引茶碗 なにより大きさがいい!盃にも使えそうだからであることは言うまでもない。親指と人差し指で口縁をぎゅっとはさんだり、ひっくりかえし裏をなめるようにみて触る。この触感と肌の透き通った白さがたまらない。粉引にはいろんなタイプがあるけど頭一つ いや二つでているようだ。ロックでもいけるな〜なんて呟いていると、「このなかで氷がかりかりしたらダメでしょう!」と茶人らしくもっともなことをターさんがいう。そりゃそうかもしれないけどさ 僕は心で叫ぶ。幸福だけど、なにか物足りない時間が過ぎ夜の新地に。 博さんは「今度この四人で茶会にきたらどう?四人くらいがいいんだよ」。はなしの流れだと、どうも僕が含まれているようだ。「僕は不作法ですから、、、、。いやいや二度と茶事は懲り懲りと思われないこと考えますから」大店にこんなうれしいこと言われると光栄で満更でなくなって、ある夏の朝に宗屋若の一服を思い出した。あれはうかまったな〜。春、一番の楽しみができる。 煩悩三人組と翌日京都の柳に。骨董が面白いのはお店の好みが伝わってくることだ。でるわでるわ ただ主人に昼間、先約があり欲求不満のうちに退散。絵唐津と宗達の龍図でのみたい!!! お灯祭りが6日なので4日は日本海の氷見へ、5日は太平洋に串本へ魚食べに歩く。日本海と太平洋。こんな贅沢はわれわれ日本人だけの特権だ。氷見ではメジ、太平洋ではよこわ。がんがら、とか やいたハタ とか地元でしか味わえないものがある。いや流通にのらないもの といったほうが正確か。ブランドになっているものは別だか、みためとか全国的でないものは敬遠されるようだ。おなじ自然からの恵みだろう。 煩悩まみれになって新宮へ。火祭りならぬ水祭りになって、煩悩はすっかり水に流した。と思っていたけど、祭りのあとにお目にかかった皮鯨が夢に出てきて朝目覚めた。しばらくは日々精進である。
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