平成23年6月28日(火) パムッカレの古代遺跡 石灰岩の上に 古代遺跡がのこる。 まことに不思議な景色。 帰国して一週間。手紙や書類の整理はほぼ終わったが、トイレでひと月たまった新聞を少しづつ読んでいる。結果がわかっているがことの経緯を知れば、ネットのニュースというのは新聞でいう見出しのようなもの。海外ではそれしかみる時間もないので、わかっていながらそれを信じてしまう。「そんなこと言っていないのにさ」前の職場で政治の野次馬のようなことをしていたときに思っていたが、総理がぶら下がりのインタビューを受けないのにすこし同情する。時間の制約にあるにせよ、なかば素人の人生経験も浅い記者が、「一言で」というが、そんな一言で答えられるようなことじゃないし、答えられるようなつまらんことなら聞くな、という気持ちになるよね。記者クラブのことはそのとき(二十年前)から言われていた弊害で、米国大統領のように執務室から直接語りかけることはできない。でも、こんなにメデイアが進んでいるんだから、インターネットのサイトでも利用して自らの気持ちが語ればいいんだよ。それだけでずいぶん変わるんじゃないかな。既存の体制をかえることにエネルギーをつかうのは浪費にちかい。とくにいまの日本のシステムは官民問わずある意味完成された組織だ。 今日は久しぶりに感のいい若者にあった。若者?なんていう年になったんだーと彼と別れて感じた。トルコの疲れ?以前はなかった時差ボケが続く。いや、きっとあのコーランのお蔭だろう! クシャダス 夕陽を追いかける豪華客船 サモス島 ベラの神殿 世界遺産だがみるべきものは この柱だけ。 こんなおもちゃあったよね。 なんて言ったかな? サモス島の博物館において。 異様な巨像。 こんなのが出てきたら 気絶しちゃうね。 いのししだよね〜。 縄文のイノシシと 比較すると面白い。 ここはエーゲ海 ギリシャ領。 平成23年6月15日(水) メルスインの 鯵の開き 10日で3000km超えた。少ない欧州出張を利用して仕事のあとに見聞を広める旅を毎年している(近年は毎年とは言えないけど・・・)。飛行機や電車での移動もそれはそれなりにいいと思うけど、働いている人や暮らしの風景がみえるには車がいい。無論、歩くのが一番だという人もあるだろうが、そこまでの時間と旅のスタイルは持ち合わせていない。 幹線道路でただ立っている人(これがたくさん)いったいなにをしているのかな?原野で子供が歩いている、家はどこか心配になる。大きな荷物を満載した車 目的地に着くのかな?人の表情や行動はほんと興味深い。ただトルコは思いのほか広かった!カッパドキアから地中海にでてアンタルヤまでの間がとくにひどかった。日本ではまだ工事中だというようなダートが500kmの工程の半分を占めた。これには閉口してギリシャまでわたるのにあきらめて、トルコに近い島だけ行くことにした。まあ、年ということもきっとあるだろう。 二十歳過ぎにパリからイベリア半島を一周した1万キロ、1日に800km走ってもどうってことなかった。陸続きというのは日本では味わえない感覚で、それ以来僕は病み付きになっていまにいたる。確かにいろんなこともある。パンクしたり地元に人間に囲まれたり、でも大きなことになったことはない。年に応じた旅を楽しんでいる。 町から町へ移動して美術館や古美術店、市場に行くのは決めているが、トルコは骨董屋巡りのかわりに古代遺跡訪問となった。ヒッタイト、ヘレニズム、ローマ、そしてなんていってもイオニアの植民都市 地中海沿岸からエーゲ海にかけて古代ギリシャの遺跡にはみるべきものがある。ちょっと残念なのは車のサイン表示が不徹底な場所が多いことだ。あまりその方面に力をいれていないのかな? ベルガモン王国なんてきいたことがなかったパムッカレ遺跡。石灰を素足になって歩く。不思議な感じ。マリマリスからロドス島、クシャダスからサモス島とエーゲ海に浮かぶギリシャの島々にも足を延ばした。アテネではデモなど大変なみたいだけど、東の外れに島々はのんびりしたもの、この日は車を置いてのことだったので、島の地酒を飲んでゆっくりした。トルコと比べればギリシャのワインのほうが僕にはあうようだ。 簡単な台所があるところでは、市場で買って自分でつくったりしたが、マリマリスの2日続けて通ったレストランがある。DEDEという三代目の主人の接客には惚れ惚れした。あとイワシをオリーブオイルと酢で〆たもの、絶妙だった。海岸線沿いは魚は豊富で塩焼きも食べた。鯵があったのには驚いたけど、あとは鯛、鱸、穴子、エビ、イカ……まあ平均点以上ではない。 トルコは英語を話す人はまだまだ少ない。でも食べ物は英語がわからなくてもなんとかなる。メンフィスの市場で買った魚をどこかで料理できるかと聞いてもらって炭火焼きやフライにしてもらう。勝手な日本人。 さてこんな旅ももうすぐおわる。イスタンブールに着くころには4000kmは超えるだろう。 Sideの アポロン神殿 駐車場から緩やかな 坂道をおりていくと 真っ青な地中海と 白が眩しい神殿が あらわれる。 ミカンジュースが 売っていた。 うまかった!? ロドス島 ロドス島 聖ヨハネ騎士団の神殿 最期はこの地を 去ることになる Didimのアポロン神殿 ここからMiletまでの 街道両側は神官の座像が 並んでいたという。 Prieneにかけてひとつの 大きな文化圏だった ように思う(古代遺跡 というけど長期間だから 関連性があったか 知識がない) Priene アテナ神殿 後ろにひかえる聖山が 素晴らしい! 平成23年6月8日(水) カッパドキア ご無沙汰しました。インターネットは便利な機械のようで、なかなか骨がおれます。こちらはまだ7日火曜日、農家生活から離れターキーに飛んだ。短い間でしたが得たもの大、今後につながることだと思っている。とくにビオ、それを掘り進めたヴィオデナミ、当地ではすっかり生活の一部になっている。農地の4分の1が日本でいう有機農法なのだから、その意識の高さは大変なもの。ちゃんとしたものをちゃんと食べる、これは基本。贅沢とかグルメとかいう言葉に置き換えられるとしたら、ぼくはそうでない。もぎたてのトマトや生みたての卵、牛を殺すときにちゃんと祈る。われわれは生かされているんだ。ただビオのかたがた、ちょっと太り過ぎ あれでは健康的なんて言えない気がする!気を使いすぎて逆効果なんじゃないかとさえ思う。なんでも適度が大切だ。 こちらはすっかり夏、ただ朝4時からコーランでたたき起こされるのには困ったものだ。各地に鉛筆のようなモスクの塔がたくさんあって、町ごとにルールは違うみたいだけどほんと信心深い。なにかの偏ることに僕は馴染めないが、信じることは大切なこと。デメターのかたが牛の角にその糞をつめて地中にうめ、それを春分にうめ秋分に取り出し畑にまく。それについてとやかく言う人もいるし、僕も全面的に信用するわけじゃないけど、効果や真偽は別にして「信じること」だと思う。 毎日よく走っている、といっても車だけどこちらはルールがしっかりしていて本当に気持ちがいい。追い越し車線を制限速度で走る馬鹿者はいないし、トラックをはじめてするプロがプロとして運転している。追い越し車線をゆっくり追い越していく日本はプロだといえない。これから夏になると、エンジンをかかっぱなしでエアコンのなかで寝ているプロがいるが、節電の夏、これからは禁止にするべきだね。こちらではエンジンをつけっぱなしにしていると怖い顔で寄ってきて、「NO」というからね。 さて、トルコ人は車の運転が乱暴、と誰もがいう。確かにそうだけどかれらにはかれらのルールもある。それにあわせればどうってことない。高速道路を歩いてものを売る人や、2車線が3車線とかし、真ん中から抜くものもあれば、路側帯からいくもの。山道のカーブで抜いていく奴までいる。「郷に入ればそれに従え」とカーブで抜いてからすっかり溶け込んだ。みんなほんとに控えめで優しいし、とくにポリスは親切だ。所長がホテルまで案内してくれるんだからさ。東西の十字路といわれているが本当にそうだ。同じ地中海でもフランスとはまったく違う。アジア的、確かにそうだ。親近感はわいてくるけど、街並みの色使いに欧州的な落ち着きはない。そんな文化の到達点が日本なんだから、猥雑な都会の街並みも仕方ないと思った。 これからエーゲ海にむかって走る。岩田さん お世話になってます! ニコライホフ リースリングの畑 背後はドナウ川 サロモン家の牛 この角に糞をつめ ねかせて肥料にする アンカラ アナトリア文明博物館 これなんて織部じゃないか! 春日曼荼羅だ! 立派な高坏 土偶もたくさん バックナンバー 平成30年
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