平成23年9月25日(日) |固定リンク
台風が過ぎて季節はすっかり秋。三連休は九谷焼きの須田菁華と浜美枝さんに誘われて箱根のやまぼうしに菁華さんの展覧会を見に行った。というか「箱根で飲みましょう!」という菁華の誘惑にまけたのである。菁華さんとはもう何年になるだろうか?冬の山代温泉で食い倒れ飲み倒れ以来、親子ほど年齢差にも関わら ずお付き合いがはじまった。会うときはいつも呑み北陸の美味を堪能している。でも今回は大目付と目付?がいたこともあって、お互い上品に酩酊するまでにはならなかった。 箱根のやまぼうしは浜さんが三十年以上前に十年くらいの月日をかけ、十数軒の古民家の材をよせて建てた古民家。それも土地の造成からしたというから大変なものだ。太い梁を利用した飾り棚や、英国のアンテーク机に置かれた数々の色絵。昨年の銀座和光での展覧会とは趣が違って、建物と作品とがよくあっている。 夕食によばれる。仕事し易そうなキッチンの横にダイニングテーブルがそなえられ、奥には囲炉裏が設えている。まずはバカラのグラスでシャンパン 続いて奥出雲の日本酒。浜さんに「あのうづくまるは」と伺うと、囲炉裏の奥の棚の上に置かれていた。写真より白い灰がよくかかって蹲るの理想の形 土門さんに薦められた京都の近藤さんで買った浜さん入門の骨董だ。今度はキッチンの建具が気になると、「木場で粘りに粘ってもとめたケヤキの材からとったもの」という。大変な懲りようである。 いい頃合いにタクシーがよばれ、菁華さん夫妻と山のホテルに。ここは祖母が好きだったホテル 翌朝、部屋から新雪の富士を拝む。裾野はみえないが本当に透きとおった美しい姿である。往路、西湘バイパスの眼下から、酒匂川が多量の土砂を吐き出し海面を濁らせていた。凄まじい景色ではあったが、津波や台風など の自然災害は、山や川がかつての姿をある意思をもって取り戻したいと思っているんじゃないかとさえ思えてきた。酒匂川はかつて遡上する鮭の匂いであふれて清流だったという。 浜さん、菁華さん お世話になりました。展覧会は今月29日まで。 平成23年9月12日(月) |固定リンク
新聞の夕刊で横浜の三渓園が中秋の名月の前後、夜開館することを知りでかけていった。ドライブで呑めないから、なつかしの横浜ルミネにあるトップスにカレーを食べに寄る。でもどこを探してもない。おかしいな と思ってけど僕が通っていたのは高校時代、今から二十年近く前だから仕方ない。野球の練習の帰り 大勢で押しかけ一番安いチキンカレーを注文した。カレーをかける前に、チーズやら福神漬けなどでご飯をお代わりする。薬味とライスお代わりが自由なのと、ここのカレーは同じチェーンがTBSの下にあって、子どもの頃から慣れ親しんだ味なのだ。ひとごこちついたら次にうすーくカレーをかけて、最後に肉とかどっさりかけて満腹になる。ほんと迷惑な客だったと思うけど、長話するわけじゃなく滞在時間三十分もなかったと思う。あの頃はほんとよく食べたな〜。仕方ないので一つ下の階のインドカレーを食べた。 七時過ぎに三渓園に行くと駐車待ちので車が一杯。帰ろうと思ったけどまだ月は低かったので珍しく順番をまって入った。今年中秋の名月が早かったこともあるけど、湿度高く観月という感じじゃない。でも名月に相応しく西の空まで明るくなっていた。春日御祭り 満月近いときがあって春日の参道が月明かりでまぶしかっ たことを思い出した。「月ってこんなに明るいんだ」とそのとき思ったけど、こんなに月を愛でる人がいるのにも嬉しかった。今年は来月もう一度月見をしようと思った。
平成23年9月9日(金) |固定リンク
今日は重陽の節供。節供のなかではあまり目立った日じゃないが、季節の変わり目にお祝いをして、また薬草の菊を食し健康管理の一助とした。サプリメントや西洋の薬、冷暖房など自然から離れた部分を、資本主義という文明が補ってきた。「効率」それが「近代」であろう。先日吉野、金峯山寺の田中利典総長とお話ししていて、「近代との戦い」を宣言した。確かに明治からの近代化はよりいい暮らしをもとめ、国民一丸となって努力した結果である。水道の水がのめ、いつでも電気がつきエアコンを入れれば夏の暑さもしのげる。当たり前のようにある日常、これは大した世界だと思う。僕は和式の便所が好きだが、自動に蓋が開き便座はあたたまりウオシュレットだってある。過剰だが他国からみたら羨ましい環境を享受しているのだと正直思う。だが、「想定外」のことはおこる。その極みが今回の震災だろう。 利典さんは「土にかえれ」という。僕もそう思う。学生時代汗と泥にまみれ発掘していたとき 本当に充実していたように思う。大地の踏みしめ祈りながら歩き続ける行者 僕になにができるかまだ模索中だが、その端っこかもしれない精神的なことを人生に取り入れていきたい。原爆の投下された記憶が遠のいたのと同じ様に、このままではきっといまの体制が続く。それもまたひとつの世界だとは思うけど、捨て先のないものに頼っちゃ駄目だよ。兵器が大事なら違うもの開発しろよ。地震のないところなら可能性を探れはするが、この国土ではあまりにリスクが高すぎる。今まで大丈夫だったし今回も女川のように平気なところもあった。それはね たまたまなんだ。優しい自然に甘えていただけなんだ。いつまでも甘い顔だけじゃないこと もうわかったよ。絶対なんてことありえないことが身に染みた。人が住めなくなり大地が汚れものが食べれなくなる。でも、いまだに動き続けているのである。まだ気付かないかと蔵王権現が怒っている(ように思った)。たしかに電気はあまりあって邪魔になるものじゃないし、なにかのときのストックは必要だろう。しばらくはリスクをかかえながら過ごすしかないとは思うが、おぼろげでも未来の地図を示すべきだろう。太陽光とか地熱とかそんなことを言っているのではない。生き方そのものが問われているように思う。 週刊ポスト「古都逍遥」の撮影が再開した。JRの宮澤さん、名倉さん ご無沙汰です。そのゲストで来てくださった映画監督の河瀬直美さん 奈良の自然を愛し万葉をモチーフにして制作した「朱花の月」 地域に根付いた自然や文化を育てまた見直していく 小さいことかもしれないが歴史ある古都にはその可能性が重層しているように思う。そうなるとやっぱり政治の議論になってしまう。この国のかたちを地域主権にかえる。そこからすこし光がみえてくるような気がした奈良への旅だった。 これから今年最後の新子を食べに行く。今年は7月末から毎週食べた。検査体制がすすめば来年は食べれなくなるかもしれない。
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