白洲信哉 SHIRASU SHINYA OFFICIAL WEBSITE


平成21年2月26日(木)

 西国巡礼三十三番札所
 谷汲山 華厳寺


繭山龍泉堂から案内状を貰ったので、六田知弘さんの写真展「シトーの光」を見に行った。ロマネスク と聞いただけでいつもワクワクする。その後のゴシックやバロックなんかになると興味は薄れるのだが、欧州を旅して必ず行く教会である。サンテイアゴ巡礼に興味があって、パリからスタートしたのが二十三のとき。それから欧州に行くごとに、その巡礼道を意識しながら点と点をつないでいった。三年前の北スペインの旅で、大体歩くことが出来たが、祈りの道は東西問わずいいものである。西国巡礼を終えたばかりなので、懐かしくまた新たな経験と重ねあわせることができた。 小さいもの、廃墟になっているもの 様々だがシトー派というのは意識したことなくいい発見ができた。六田さんにも初めてお目にかかった。興味の対象が似ているので、時々お写真を拝見していたが、もっと怖い方だと思っていた。 日本の平安時代に似た趣を感じるロマネスク。 あちらに行くことがあったら気にしてみてください。僕も南仏にあるというシルヴァカーヌ修道院 知らなかったので行きたいと思う。



平成21年2月23日(月)
週刊ポストに、“白洲信哉 続ニッポンの流儀 第8回 〜たたら〜”と、“古都逍遙・庭園に遊ぶ”が掲載されました。





平成21年2月20日(金)

 三十番竹生島


西国巡礼 いよいよ というかまた近江に入る。竹生島はいままで眺めるだけの島だったが、はじめて渡った。やっぱり趣深い。海の神様は川鵜に痛めつけられていたが、国宝の本殿もなかなかよかった。お寺と神社も寄り添いここまでもは明治政府の強権も発動しなかったのであろうか。船で長浜に戻り湖岸道路を長命寺に向かった。ここは思い出深い寺だ。石段が808段もあるが場所もいい。安土城はここからすぐのところにあった。近世の扉をあけた信長の居城である。こんな一等の場所に立てた信長はやはりすごい。いま残っていたら世界に誇れる建物だったであろう。沢山ある公民館など建てずにこの城の復元をしたらよかったのではないだろうか?

観音正寺も山の頂上、昔の城跡と隣接している。ふたつは近いが容易でない。ここから祖母は新幹線をみて「ざまあみろ」と言葉を残したが、文明の利器が好きだった祖母も若かった。ここまできて感慨深かったでのあろう。晩に長浜にもどり縁のある鴨料理屋にいった。いつ行っても懐かしいし、玄関にあった水上さんの言葉がいい。でももう行くことはないだろう。写真も残さなかった。いい思い出だけを胸に刻むことにした。

明日は最後の谷汲だ。どんな感慨があるだろうか?詳細は来月から新たに始まる「家庭画報」の連載を楽しみしていてください。さびしい長浜の夜だった。


 三十二番観音正寺への道



平成21年2月19日(木)

 成相寺奥の院より天橋立


西国三十三ヶ所25番清水寺から再び歩く。伊丹空港から三十三間堂から三田経由で昼過ぎに到着。ここも山上の寺で立派な自動車道がついていた。頂上から瀬戸内海がみえる。次の一乗寺は平安の三重塔が柔らかくここは谷奥という場所だった。泊まる姫路までも近い。冨久娘と聞いたことがある酒蔵が近くにあった。翌日円教寺に行く。ここは大寺。何もかもスケール感がデカイ!大好きなラストサムライのロケで使われたところでもある。舞台もあり食堂の2階席から能をみたらさぞいいだろう。執事長の大樹さんと向島出身の金子さん、お世話になりました!間人にいき有名な蟹をたらふく食べる。今日は朝から天橋立近くの28番成相寺にいく。運よく降った雪景色が下界の汚い建造物を消してくれた。住んでいるかたは大変だが冬景色には欠かせないと思った。次の松尾寺も雪中だった。明日はいよいよ近江に入る。


 清水寺参道

 一乗寺 三重塔

 セイコ蟹

 間人蟹 シャブシャブ



平成21年2月16日(月)
週刊ポストに、“白洲信哉 続ニッポンの流儀 第7回 〜修正鬼会〜”が掲載されました。





平成21年2月14日(土)

 蓬莱橋


バレンタインデーだそうだ。毎週更新するのが川井さんの命令?だったので頑張っているが一週間は早い。木曜から伊賀の島ヶ原、島田の蓬莱橋、湯河原移動して酒田にいる。なつかしいこともあった。書くことはあるのでそれはポストでみてください。あとはつまらないこと。麻生さんの口が何でなんなに曲がるのかと愚息に言われて考えた。あれは昔からなんだから仕方がないのかとも思ったし、今回小泉さんがあんなこと言ったから大騒ぎしているけど、引退する政治家についていく人なんかいないよ。最後のあがきというかたまたま口に出ただけもう責任なんてないんだからね。でもすこしの間にいたところだから気にはなります。小沢さんもいつまでも詰まらんことなどいわずにヒラリーさんに会えばいいんです。なんで大人になれないんだろう。ちっとも進歩していないね。でも自民党より一歩は前進するので民主党をよろしくお願いします!!!したり顔で「民主党にまかせられますか?」なんて言っている奴らが一番任せられないね。


島ヶ原 正月堂
東大寺お水取りの元です お堂に神主 僧侶 しめ繩が張られている



平成21年2月9日(月)
週刊ポストに、“白洲信哉 続ニッポンの流儀 第6回 〜山焼き〜”が掲載されました。





平成21年2月8日(日)

 メジマグロ


毎冬恒例?の氷見に行ってきた。続いて十年以上である。比叡山のアジャリさんとも来て飲んだ。懐かしい思い出である。いろいろあってなかなか日程が決まらず一緒できなかった仲間もいるので写真を添付した。毎年変化があって発見がある。うまいと思っていたイカ 刺身は甲イカ、臓物の湯通しはスミイカ、焼いた金色の子どもはヤリイカだった。毎年食べているのに知らなかった。うまい。いろいろ食べてメインイベントのブリとメジ。今年はタラの白子があったから軍艦にしてもらった。白子もこんなにここで食べたのも初めてだった。

毎年来ているが、毎回違う部分に感動がある。違っていて良いと思う。三日寝かしたメジがよかった。大間のマグロなんて大したもんじゃない。ブランドなんて目じゃないし、大事なのは味であると再認識。ここニ三年より支払が安かったので伺ってみたら「今日は仕入れが安かったからです」と。なかなか言えない言葉である。まっとうな職人にまっとうな魚たち。ここは地の魚しかなく、ウニもイクラも取れないからない。これがいい。なにもかも平均したなかで素朴で素材の良さを堪能した。来年また来よう!

帰りに金沢に寄った。ロンドンギャラリーの田島さんが是非と言った展覧会。21世紀美術館の「杉本博司 歴史の歴史」展。昨年のウングワレー以来の感動だった。最初の部屋の石棒。根来と石。次の柱の古材。雷神くらいまでは想定範囲で、でも凄く良かったし自然界が美術の源だと再認識。化石っていいもんだった。あんなふうに拡大していかないけどね。 次の部屋の黒いカーテンをあける。中に入れない。その光景が信じられなかったからだ。深呼吸して構えて入る。これは圧巻。焼け経が壁一面にあった。焼け経を知りたい人は骨董屋に行きなさい。仏教美術の定番なんだがこんなスケールがあるものは初めてだ。というか異常である。一幅持ってほくそ笑む人はなんて思うだろう?

裏に行くとゾクゾクする。まず能面が宙に浮いている。こんな展示はみたことがない。先の雷神もそんなんだが高さは大事な視点だと思った。エジプトの文字とイコン?レンブラント。それに趣味がいい表装をほどこし空間をつくっている。何事もバランスだ。古いとか新しいとか、こういうのが見立てである。一個人が好き気ままな宇宙が完成しているのだった。

最後の部屋に見覚えある像の後ろ姿があった。もしやと思って正面にいくとやっぱりあれだった。祖母が大事にしていた十一面さんだった。円形の広い部屋は観音浄土と化していた。ものは展示の仕方によってここまでかわるのかと、これには呆然。しばし見とれて動けなかった。いや、いつまでもここにいて酒でも呑んでともに時間を一緒にしたかった。これも高さと空間の妙なんであろう。

僕が買えなかった舞楽図もあった。毎年参拝している大好きな御祭りで画もあった。伊勢参詣曼荼羅もいまの伊勢じゃないみたいである。美は東西、古今関係ないんだと心を強くした。これを読んだ人は必ず行くべきである。いつもの21世紀美術館ではないですよ!お陰でのど黒の鮨が食えずに帰ったのでした。のど黒の心残り。


 ヤリイカにブリの胃袋

 白子軍艦



平成21年2月2日(月)
週刊ポストに、“白洲信哉 続ニッポンの流儀 第5回 〜花を活ける〜”が掲載されました。





平成21年2月1日(日)

 奉納されたケラ
 金屋子神社にて


奥出雲、大分と遠征した。奥出雲はたたらという製鉄作業を見学してきた。映像の公開ができないのは誠に残念だが、興味あるかたは近々週刊ポストに書くのでご覧ください。明治の欧米化で日本古来の製鉄は廃れてしまったが、その質は世界でもトップクラスであった。量産ができないことが問題なのだが、鉄というのは錆びるのが当たり前だと思っていた。いい鉄は錆びないのである。こんな山中といったら失礼だが、年に三回だけその復元に取り組み技術の継承を行っている姿勢には頭がさがる。刀剣協会が主体なのだが、この大事な取り組みを永遠に続けてもらいたい。僕は鉄とか工業製品という印象が強く、今まで積極的にみることはなかったが鉄も生き物だと実感した。鉱物というのは面白いものなのかもしれない。

久しぶりに畏友西村と飲んだ。というか取材に乱入してきたのである。最初は飲まないと豪語するも目の前に置いた日本酒には耐えられなかったようで途中から飲みはじめた。時間差がありこっちが先に寝てしまったがそれで良かった。かれと飲むと、次の日がつかいものにならなくなるからだ。はじめておとなしいかれをみた。かれに紹介された宿もなんでもなくよかった。日本には見るべきものがまだまだある。


 岩戸寺 修正鬼会 鬼の陰

 岩戸寺 国宝 国東塔



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