平成26年7月23日(水) |固定リンク
今日は大暑、梅雨も明けて本格的に夏がはじまる。今年はどんな夏になるのかな? 去年は、MIHO MUSEUMで秋からはじまる「根来展」の図録制作で熱い夏を過ごしたな。先週末は、先年からやっていたプロジェクトのお披露目があった。畏友のアキオと、チャリテー企画のメインテーマであった伊勢型紙のプロフェッショナル起さんとの合作「型紙自転車」だ。発端はサッカーの中田英寿さんから、氏が続けている日本の伝統工芸を応援する企画への協力依頼だった。初対面だったが、何だか面白そうだと思ったのと、普段知らない世界をのぞくのは悪くないと思ったからだ。元来、僕はボランテア精神というのは苦手、というか持ち合わせていない。ありあまる資金と地位があるかたがたが、やることだと思っているからである。NPOというのもよくわからない。ま それはそれでいい。そんなことではなく、サッカーをやめて、新天地で思いを実現させていく彼の情熱や、「やってみてどうなるかわからないけど、なにか一つでも残ったらいいなと思っているんです」という率直な言葉にこたえたかった。「走りながら考える」閉じている日本の各分野に、一番必要なことだ。だが、テーマが伊勢型紙と聞いて正直困惑した。イメージがわかないから、いろんな資料を読んだりした。でも一夜漬けではどうにもならない。そんなときに頼るのはいつも直感だ。 伝統工芸でかつてないもの。まず浮かんだ事は「動く」ことだった。アキオはバイクをつくる(作るっていっても彼の場合はデザインの線をひくのではなく、マクラーレンとかと空力テストとかしてプロトタイプつくっちゃう奴なんだ)ので、予算から無理にしても自転車ならできるかな?また、彼が住んでいる英国は、近代自転車の発祥の地である。古今東西、そういう交流が、日本の工芸品に欠けている。ただ日本にいて「困っている」という声は聞くが、昨今の日本酒のように世界へ出て行く取り組みがまだまだだと思う。アキオに言ったら「自転車やろう」となって、あとは白子の起さんの事務所に行ったくらいで、信頼出来る友人にお任せだった。随所に報告があるのだが、言葉とパーツとが、画にならないと理解が出来ず、それに実際に走る、ということを考えると素人の出る幕ではないとも思っていた。博多の自転車屋さんに大きな段ボールをかかえた彼が居た。起さんのつくった型紙とあわせたり、チャーンはドイツ製、タイヤのゴムはイタリア製、ホイールのカーボンはアメリカ製……1866年創業のブルックスという世界最古のサドルメーカーの協力で、完成した型紙模様のサドルに、起さんが日本でつくった革袋。情熱、時間のかけかたが、じょじょに組み上がってくる自転車から伝わってくる。前日の十時前に油圧ブレーキを取り付け、会場のホテルまで自転車や、梱包する段ボールを三人で運んでいると、中洲の屋台ではいい感じになっている人たちがいて、ちょっと羨ましかった。 ガラパーテイ、とは何のことだとは思っていたけど、展示から会場構成に至るまで、中田さんの思いが充満していて、儀礼が優先する日本のそれとは大違いである。正装はそれなりに意味もあるのかもしれないね。「僕が欲しいとしたら、やっぱり自転車ですよ」と、中田さん。リップサービスかと思ったら、競りにも参加してたからまんざらじゃなく、終了後に「あと4、5台つくりませんか」という。実際、競りの最後をかざり、なんとか最高値もついて面目躍如。参加費が75,000円というものなので、詳細ははばかれるが毎年参加する人もあるという。来年のテーマは「漆」場所は金沢、続けていくことが大事だと思う。 博多の合間に一宮巡り、筐崎宮にお参り。「敵状降伏」と亀山上皇の銅像にぶったまげる。コンクリートだけどずっとのびる参道は気持ちいい。博多に住吉が一宮とあるが、本場の摂津一宮 住吉大社に、もっと熱いなかお参りする。これはしびれるくらい良かった(不謹慎だけど)どうかと、いうことはちゃんと考えてまとめたいとは思うが、あのあとの井戸盃と同じということだ。今日はこれから白鶴へ。いい夏になりそうだ。
平成26年7月1日(火) |固定リンク
「目の眼」8月号、本日発売です。特集は「ニッポン男児の日本刀入門」。岡田准一さんのグラビアのほか、日本刀入門、黒田家ゆかりの名刀、東京刀剣店ガイド、ミュージアムガイドなど、盛りだくさんの内容です。(注文殺到のため、書店にご注文いただいても、お手元に届くのが7月10日前後になってしまいます。謹んでお詫び申し上げます) バックナンバー 平成30年
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