平成25年9月14日(土) |固定リンク
いいものを見た。丹生都比売神社の丹生宮司よりご案内があり、「天野社の舞楽曼荼羅供」が行われる国立劇場に行った来た。今年の夏は「根来」に没頭、MIHO MUSEUM 朱漆「根来」展の図録や、ポスターがその成果物だが、来月発売の「目の眼」11月号にはもっと掘り下げた私見を書いた。根来を考えていると、丹生にたどりつき、そうなると丹生都比売は大事な視点だと考えている。ちょっと話を変える。「目の眼」茂木さんの取材に同行し、再び「根来展」に。ただ、残念なことには最初の部屋が明るくなっていたこと。暗すぎる と苦情に応えた結果だと説明受ける。見える 見えない 感じる 感じない 視力じゃない何かが僕は大事だと思う。とくに根来のような中世に花開いた美術はである。暗くてぶつかる。まあ、安全安全、バンザーイ。暗さの意味を解せないかわいそうなかたがただこと。 さて、話を戻す。先程、久かたぶりに丹生宮司にご挨拶、さきのような雑談をしていたら、「いやいや、うちの本殿内部は根来で塗られているんですよ」。僕は何を言われているのが、あまりのことに絶句していたら、丹生さんが「根来塗りと同じように黒漆を塗った上に朱漆を重ねているんです」と言う。本殿は鎌倉時代である!これは大変なことだ!朱にも二種類あるようで、古代の人の朱に対する思いを新たにする。秋に再び訪ねたいと思う。 舞台は声明と舞楽がミックスした大変ユニークなもの、初の試みでまだいろいろあるが、これは一つの芸能として新しい切り口になると思う。声明と舞楽、とくに陵王が良かった。春日のおん祭りとはまったく違う(当たり前だが)これが神仏習合だ。山上では舞楽は禁止されているので、二十年遷宮のときにだけ天野社で行われてきたという。天野はそれは美しい山村で、廃仏毀釈で途絶えたそれを来年復活させると丹生宮司。こういう試みこそ行政が後押しするべきではないだろうか。来年は是非現地で見たいものだ。国立劇場での声明、御所まで届いたであろうか? 今年はタイトなので思い立たないとドライブ出来ない。僕は好きな田貫湖に行ってきた。写真が早朝の富士 僕は偉大な、やはり自然と切ってはきれないのだと思う。高野山の曼荼羅は確かに完成されたすごいものだけど、国立劇場で何かが足りないと思っていた。そう 富士、自然が足りないのだ。曼荼羅は神仏が習合し、山や滝などが描かれるようになっていく。天野社のポスターには、社殿とあたりの風景 二つ鳥居まで描かれている。これは曼荼羅ではない そうかもしれないが、僕はこちらのほうがホットする。そして、堂内とはまた違った声明は、澄んでいて、もっと里におりて、世間に出て唱えて欲しい。劇場に足りないのも空で、スポーツ施設もいいが、こうした文化施設は開閉式のドームに早くして欲しい。いろいろ感じでまだちょっと興奮している。丹生宮司、それに押鐘さん ありがとうございました。
平成25年9月8日(日) |固定リンク
2020年東京オリンピックが決定した。イスタンブールとの一騎打ちになって、心のなかでは譲ってあげたらいいのに、と思っていた。イスラム圏初、東西十字路の古都でやる意味は、客観的にみると大義は十二分だし、シリアの今後を考えても意義があるとも考えていた。ほんと、イスタンブールは魅力ある街だと思う。対してこちらはすでに一度やっている上、大義がない。安全、財政、コンパクト…ただ最近は大義より経済優先のようだ。折角のチャンス イスタンブールのためにも我欲を貫徹して、復興のそして老朽化した我々のシステムを再構築するいい目標、機会にはなったと思う。これからは本当に大事だ。会場建設の先は見えている。もっと大胆に、東京一極集中排除するためにも、表玄関は大阪に移し、京都御所の陛下に謁見し上京し、開催そのものは皇太子殿下が中心に、さらに積極的に関与したらいいように思う。GHQの占領政策に、3S というものがあった。「セックスの解放」「映画の奨励」一番にあげられていたのが、「スポーツの奨励」である。目的は大衆を娯楽や快楽に目を向けさせて、政治に関心を向かないようにすることだった。今の政府がそうなってはならない。東京は安全、と強調するが、故郷に帰還できない同胞をおいてよく言えたものだ。オリンピックの開催ととともに、2020年までを福島の大きな節目にして貰いたい。 明日は重陽の節句。スポーツの祭典だが、太古から積み上げてきた我々の多様な習慣や、伝統芸能などを披露するのもまた大事な眼目だ。後世に残ること 祭りは一瞬で終わる。つわものどもの夢の跡、だけにはしてもらいたくないものである。 平成25年9月2日(月) |固定リンク
「目の眼」10月号、本日発売です。特集は売茶翁 煎茶です。瀬戸内寂聴さんの新連載や世界のクロサワが愛した根来などもりだくさんで、いつもより8ページ増量です。 平成25年9月1日(日) |固定リンク
MIHO MUSEUM 秋特別展「根来」のオープニングに出席する。精魂こめた図録もちゃんと届いていた。会場へ着くなり、旧知の金子さんが「まずこちら見てください」と売店のグッズを案内される。まああの忙しい中こんなものまで作ったね(いけね 買ってくるの忘れたよ)入口にはポスターを模した大看板……いつもだけど迫力ある熱のこもった展示は、根来の朱のように燃え上がっていた。とくに最初の部屋で圧倒される。大盤、瓶子、日の丸……。もうここでクタクタだ。図録を制作したので作品の記憶はどれもあるが、実物の大きさ、色、質感に驚きと新たな発見がある。詳しくは「目の眼」十一月号で特集をします。 撮影を終え、昼を食べに降りていくと辻館長に呼び止められ、「ユニークな発想で僕は驚いちゃったよ」とどうやら誉められているようで嬉しかった。それでね、ポスターや図録についてちょっとしゃべって頂戴、と。「へ」と僕は裏方なのでと辞退しようと思ったが、横から金子さんが「折角の機会だからちょっとでいいからさ」と横やりがはいる。確かに保守的な業界で、こんなチャンスを与えてくださったのも事実で、一言お礼を申し上げるべきだろうとお引き受けることにする。監修の河田先生や担当学芸員の桑原さんなど、今回はまわりのかたに恵まれたと思う。僕は「朱」の意味をずっと考えていて、それと展覧会のイメージ「根来」の書体について手短にお話しした。まとめたことは十月の講演でと思っている。いずれにしても、会期は長いが展示替えがあるので、何度か足を運ぼうと思っている。2013年夏、充実していた。そして、もどった東京はほんとに暑い!
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